「もすきーと」を聴くと、まずは別れについての連想が浮かぶ。
けれど聴き進めるうちに、その印象が少しずつ変わっていく。
別れや悲しみを単に描いた曲というよりは、
先に進むための、迷いの途中にある踊り場から、次を目指す内容だと感じる。
「このままじゃ駄目だね 笑えなくなってしまう」
この一行が出てきた瞬間、胸の奥が、毎回ざわつく。
誰かと並び続けるためには、
同じ場所に留まっているだけでは足りない。
きっと多くの人が感じたことのある感覚として、一瞬で掴まれた。
歌の中では何度も、自分自身に向けて言葉が投げられる。
それは励ましでも、答えでもなく、
もっと不器用で、もっと切実な問いに近い。
「僕よ、僕を歌え」
この一行をはじめて聴いたときは、しばらく何も考えられないくらいに感動した。
そして可能な限りでいいから、朙さんにそうあって欲しいと思う。
「君が明日も 誰かと笑えますように」
「また道の先 ここで歌おう」
最後に祈りのような言葉が残る。
そして、またどこかで歌う未来を、ごく自然なこととして残す。
別れがキッカケとしてありながら、それで終わらせないで
その感情を抱えたまま、次の場所を示す。
それは優しさでもあり、
静かな強さをまとったまま、何度も聴き返してしまう。
朙さんの人柄がにじむ、
自分にとっても大切な一曲です。