答えより先に届いたもの

朙さんが「タイトル未定」の動画をUPしてくれた。
改めて歌詞を読みながら観ていると、もう少し作品に入り込めたような気がした。

スマホに取り憑かれ、巡り続ける情報が氾濫した毎日。
そのどれもが重要そうな素振りを見せながら、実は自分たちから主体を奪い、ただ流されるだけの存在へと引きずり落としていく。

スマホが現代の疫病神だとしたら、この曲はその呪いに気づいたリアルな告白だと思った。
テクノロジー依存と自己疎外。

めちゃくちゃ現代ならではのテーマを、理屈でなく疲労として歌う。
背筋を丸め、自分の足りなさを数え、日が暮れる。そのループの残酷さ。

「自己犠牲も美徳でしょう」承認を得るために自分を消してきたケースの、その限界点についての叫びでもあるような気がする。
感情を無視し続けた果てに「僕のこの感情に意味はあるのかい?」と問う。これは、存在証明への問いだ。

そして極致から絞り出される「愛を 愛を」。
上手く言えない時ほど、本物が出る気がする。
説明しようとして言葉が出てこなくて、同じ言葉を繰り返してしまうあの感じ。
何もかも分からなくなった先で、それでも誰かに手を伸ばすことだけは分かってる。
「愛を 愛を」は、まさにそれだと思った。

曲名ってその作品の額縁だと思うんだけど、「タイトル未定」のまま世に出てきたこの曲が、なんかずっと頭に残ってる。
未完でも未定義でもいい、そのままでいいんだよって言われてるような感覚があって。
答えを出すより先に、ちゃんと届けてくれたことの方が大事だったと思うし、ものすごくそれが嬉しい。

朙さんの作品に揺さぶられた一人としての感想、それだけ。